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チリ市場訪問およびグローバル水産原料の見通し

09-04-2026

お知らせ

1. チリ現地視察オペレーションの高度化と供給実態の確認

20263月、兼松ベトナムのチームは、チリにおける主要なフィッシュミールおよびフィッシュオイルの生産拠点を現地訪問し、操業効率、品質管理体制、サステナビリティへの取り組み、ならびに原料調達の安定性について評価を行いました。

チリは、強固なサーモン養殖産業と確立された浮魚(ペラジック)漁業を背景に、現在も世界で最も重要な水産原料供給国の一つです。

過去数年にわたり、チリの養殖サーモン生産量は年間約100万~120万トンに達しており、世界第2位のサーモン生産国としての地位を確立しています。

サーモン加工時に発生する副産物だけでも、年間で以下の数量が生み出されていると推定されます。

サーモン由来フィッシュミール:25万~30万トン/年

サーモン由来フィッシュオイル:12万~15万トン/年

これらの数量は、世界の水産飼料市場に対し、高品質でトレーサビリティの確保された水産原料を供給する上で、極めて重要な役割を果たしています。

2. 現在の漁獲状況と市場への影響

直近のデータ(第12週)によると、イワシの漁獲量は一定程度まで回復しているものの、依然として旺盛な市場需要を満たす水準には達していません。主なポイントは以下の通りです。

  • 漁獲活動は、主要なフィッシュミール・フィッシュオイル工場が立地するBCCエリアから約200km南側に集中
  • 地理的集中により加工の継続性は確保されている一方、地域依存リスクも浮き彫りとなっています

より深刻なのは、ジャックマカレル(アジ類)の漁獲量が著しく低迷している点で、業界全体に懸念が広がっています。

  • 既存の供給コミットメントの多くが未履行
  • 一部メーカーでは、イワシへの原料代替を検討しているものの、品質面や配合設計への影響が懸念
  • ジャックマカレルは主に人間向け食用に回されるため、ミール・オイル向け原料としての柔軟性は限定的

加えて、北部エリアにおけるイワシおよびアンチョビーの漁獲不振も、供給見通しにさらなる圧力を加えています。

背景要因の一つとして、エルニーニョ現象の早期発生が挙げられ、2026年後半にかけてその影響が強まると予想されています。過去の例では、エルニーニョ発生時に以下の傾向が見られました。

  • 生物量(バイオマス)の減少
  • 魚群の回遊ルートの変化
  • フィッシュミール・フィッシュオイルの供給および価格の変動拡大

商社の視点では、今後スタンダードグレード(FAQ)のフィッシュミールおよびフィッシュオイルを中心に供給逼迫局面が想定され、産地間・品質グレード間の価格差がさらに拡大する可能性があります。

3. ベトナム市場における戦略的展望

ベトナムは引き続き高成長を続ける水産養殖市場であり、以下の分野において需要拡大が見込まれています。

  • 高タンパクフィッシュミール
  • 水産飼料およびペットフード向け機能性フィッシュオイル

チリおよびペルーの供給環境変化を踏まえ、今後バイヤーは以下の対応を取ると想定されます。

  • 調達先の分散
  • 副産物由来水産原料への依存度拡大
  • 最終ユーザーからのサステナビリティおよびトレーサビリティ要求への一層の対応

兼松ベトナムは、お客様に対し安定的かつ競争力のある、持続可能な供給を実現するため、調達ネットワークの強化を積極的に進めています。

4. 今後の業界イベント ― IFFOサミット 上海 2026

今後、グローバル水産原料業界は、202661011日に開催予定の IFFOサミット上海 に集結します。本イベントは以下の役割を果たします。

  • 業界内の交流・コミュニケーションを強化する重要なプラットフォーム
  • グローバル市場動向を共有するフォーラム
  • 加工技術やイノベーションを紹介する機会
  • フィッシュミール・フィッシュオイルの利用価値向上を促進
  • バリューチェーン全体での新たな協業機会創出の場

兼松グループとして、日本・中国・ベトナムが業界の積極的な参加者として出展・参加予定です。また、兼松ベトナム代表者が以下のテーマで講演を行う予定です。

「ベトナムにおける水産原料の需給見通し」

本セッションでは、以下の内容を共有します。

  • ベトナムの輸入動向および需要構造
  • 飼料産業の動向
  • アジア市場における戦略的ポジショニング

現在、参加登録は受付中で、詳細アジェンダは以下より確認可能です。

https://www.iffo.com/china-summit-2026/agenda

今回のチリ視察を通じ、水産原料産業は効率性とサステナビリティの面で進化を続けている一方、自然条件や資源の可用性に極めて大きく左右される産業であることを再認識しました。

現下の環境においては、市場への迅速な対応力、調達先の多様化戦略、そして強固なサプライヤーとの関係構築が、今後の課題を乗り越える鍵となります。

兼松は、信頼性の高い市場インサイトと高品質な水産原料ソリューションを提供し、引き続き地域のパートナーの成長を支援してまいります。

(+84)28-39105536

月曜日から金曜日8:00~17:00

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